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ハロー、おはよう。
たしか、朝に生まれた。
母さんはひとりぼっちで、病院から抜け出したかったと言ってた。
雪が降ってたとも言ってた。
大人になってからこっそり見た母子手帳には、何日か分だけ、辛そうなことが書いてあった。
母さんがいつも言うのは、生まれてすぐのぼくが息をしなかったことだった。
ミルクの要求も、おむつの要求もしなかったと言ってた。
肌が荒れやすくて、赤くただれていたとも言ってた。
父親の母親がそれを治すために潮風にあてて、ぼくの皮膚がよけいに悪化したともいってた。
少しも泣かないので、母さんはぼくの呼吸を確かめるために、ぼくの顔の上にちり紙を乗せたと言ってた。
ぼくは、生きる意欲の少ない赤ん坊だったみたいだ。
けむりの少ないお線香みたいに。
母さんは、ぼくを生んで悩みが増えたみたいだった。
母さんの、ぼくを生んだときのおもいでは、嫌なことでいっぱいだった。
ぼくは朝に生まれたけど、目を覚ますのが好きじゃなかった。
目を覚ますと、わずらわしいことばかりがたくさん待ってた。
眠っていても、悪夢ばかり見た。
それでも、目を覚ましてるときに起こる出来事にくらべれば、ましなほうだった。
